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第2回:マーケットという言葉の意味を知らないのに使っているならそれはまずいという話

科目概要
MBAの人気科目の1つ、マーケティング。本連載では「基礎より手前」にフォーカス。「なるほど、マーケティングってそういうことか!」と腑に落ちるところまで噛み砕いて、BBT大学院の修了生の方にわかりやすく解説してもらいましょう!

科目名 マーケティング概論
担当教授 数江 良一 教授
執筆担当 佐藤 祐樹さん 2015年MBA取得
第2回(全6回) マーケットという言葉の意味を知らないのに使っているならそれはまずいという話
作成 2017/10/25

靴を売るセールスの話

ある靴メーカーの営業担当者2人が、アフリカの未開の地に異動を命じられました。
2人が赴任すると、現地の人は誰も靴など履かず、裸足で生活していました。

ひとりの営業担当者が本社にこう報告しました。
「ああ、ここはマーケットが一切ありません。みんな裸足なので靴なんて売れませんよ…」

もうひとりはこう報告しました。
「大変です、ここはすごいマーケットですよ!だって誰も靴を履いてないんです!」

マーケットって何?

今回もみなさんに質問しましょう。
「マーケット」という言葉の意味は何ですか?

辞書で調べると、市場(しじょう)と解説されています。
常識的に理解されている翻訳ですね。
その通りだと思います。

それでは、この言葉を文章で使いましょう。
「マーケットが拡大している」という文章の意味は何でしょうか?

さっきの質問と違い、途端にいろんな回答が出てくるようになります。

「自社商品が以前より売れはじめた状態」は正解ですか?
うーん、マーケットではなく、自社商品の販売量が増えただけかもしれない。
他社がその市場から撤退したので、その需要が自社商品に向かっているのかもしれません。

「世界人口が増えている」は正解ですか?
確かに、人口が増えればそれだけ買ってくれる人も増えそうな気がする。
でも、商品やサービスを届けることができない場所でいくら人口が増えても意味がないような気もします。

「そのサービスや商品を使おうという人が増えている状態」は正解ですか?
お?ずっと正解に近付いてきたような気がします。
でも、そのサービスや製品を使おうとしている人だけが市場でしょうか?

例えば、レインコートを売りたい人にとっては、レインコートを欲しがっている人だけが市場?
わたしなら、傘を買って済ませようとしている人にも狙いを定めます。
レインコートが欲しいという人だけじゃなく、レインコートなんて選択肢を思いついたことすらない人たちも市場だと設定しますね。

ざっくり② マーケットとは見込みのあるところ

ひとことで「マーケット」とか「市場」と呼んでいるものを、正確に解説できる人は意外と少ないと思います。
ここでいったんまとめてみましょう。

マーケット(市場)とは、「製品やサービスを購入しようとしている、または今後購入する見込みのある個人や組織の集合」のことです。

「見込みのある」がポイントです。
個人や組織が、欲しがるどころか、選択肢としてあることすら認知していないとしても、その個人や組織はマーケットです。

マーケターへの第一歩!

AppleがiPhoneを売り出す前に「うわー、総タッチスクリーンのスマホほしいー!!」と思っている人はいませんでしたよね?
いたとしても、ごく少数派だったでしょう。
でも、Appleのスティーブ・ジョブズは全人類をマーケットと設定して革新的なスマホをリリースし、大ヒットさせました。

レインコートメーカーにとっては、傘を買う人たちも市場です。
靴メーカーにとって、裸足で生活している人たちが生活する未開の地は、魅力的な大市場です。

今まで、「自社商品(またはサービス)の市場はこれだけだ」と安易に考えていたなら、まずはそれを見直してみましょう。
政府の「○○白書」やシンクタンクの「○○リサーチ・レポート」に書かれている「市場」という言葉を鵜呑みにせず、自社のマーケットはどこの誰なのか、いま一度考え直してみてください。

マーケット(市場)+ing(する)=マーケティングです。
前回話したように、マーケティングとは、売れる仕組みを作ることです。
それを実行するスーパースターがマーケターです。

マーケターへの第一歩として、まずは市場という言葉にこだわってみてください。

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