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第2回:企業は投資の価値判断をどうやっているのか

科目概要
『コーポレート・ファイナンス』は、企業にとっての血液と言えるキャッシュフローについてを学び、事業戦略の策定に生かしていくための科目です。

ファイナンスのスキルなくして経営はない、と言っても過言ではない本科目。その、『コーポレート・ファイナンス』単なる理論にとどまらず、生きた知識として武器にすべく、BBT大学院の修了生の方が分かりやすく、自身の視点でまとめ直して解説してくれます!

科目名 コーポレート・ファイナンス
担当教授 阿竹 敬之 教授
執筆担当 村上 昌也さん 2015年MBA取得
第2回(全6回) 企業は投資の価値判断をどうやっているのか
作成 2017/4/12

企業は投資の価値判断をどうやっているのか

それでは、投資の意思決定について具体的に見ていきましょう。

街を歩いていると、オフィスビルやホテルの建設現場に遭遇する事があります。意外な場所にオフィスビルやホテルが建設されていて、変わりゆく街の外観に驚いた経験のある人も少なくないでしょう。

最近(2017年3月)、「星野リゾートが大阪に都市型ホテルを開業予定」というニュースがありました。

そのような意思決定は、どうやってなされているのでしょうか。

これらを理解するために、まずは、

 1) 利益とキャッシュの違い
 2) リスクとリターン
 3) 資本コスト

の3つを理解しておく必要があります。

利益とキャッシュの違いを明確に意識する

まずは、利益とキャッシュの違いです。
利益は収入から費用を引いたもの、キャッシュとはお金の事ですが、どう違うのでしょうか。

利益は、商品を販売したり材料を仕入れた時点で、それぞれ売上や費用が計上され、それをもとに計算されます。

これに対してキャッシュは、実際のお金が入金・出金された時点で計上され、それをもとに計算されます。

投資の意思決定において、当然、儲けることは大切ですが、それ以上に、手元のキャッシュ残高が将来どう変化していくか、という事が大切になります。

どう大切かを理解するために、次の場面を想像してみてください。

ある企業に勤務するITエンジニアのA君は、知人のB社長から簡単なWEBサイトの作成を依頼されました。報酬は30万円で、副業としては悪くありません。

無事に仕事を終えたA君は、報酬30万円の使い道について、以前から気になっていた20万円のセミナーを受講することに決めました。20万円使っても手元に10万円残るので、何も問題はないはずです。はたしてA君の判断は正しいのでしょうか?

上記の彼の考え方は利益の考え方です。
利益だけで考えていると、思わぬ事態を招く恐れがあります。

A君は報酬をあてにして、セミナー受講費用を翌月末払いのクレジットカードで支払いました。
しかし、B社長の会社は、報酬を翌々月の末日に払っているとしたらどうでしょうか。このままでは、A君は20万円のセミナー受講費用を報酬で払えないので、どこからか用意してこないといけません。しかし、A君には用意できるお金がありません。

「支払条件を確認しないA君が悪い」で済ませることもできますが、これが会社だとどうでしょうか。会社は倒産してします。利益があるのにお金がない、いわゆる「黒字倒産」です。

コーポレート・ファイナンスを学ぶ皆さんは、利益とキャッシュの違いを明確に理解して、現時点から将来に向けてキャッシュの流れをイメージするクセをつけておきましょう。

リスクとリターンのバランスを考える

続いて、リスクとリターンです。

リスクというと一般的に損失等のネガティブなイメージを持っていますが、リスク=損失ではありません。将来どうなるか分からない状態(不確実性)をリスクと言います。その度合いが大きければ大きいほど、リスクは高くなります。

リターンは「投下した資本に対して得られた収入の割合」です。このリターンとリスクのバランスを考える事が、投資の意思決定にとても大切です。

資本コストは投資家が求めるリターン

最後に資本コストです。資本コストは必要資金を調達する際のコストになります。

なぜ資金調達にコストがかかるのか、違和感を感じる方もいらっしゃるかもしれません。

投資家などの資金提供者は、無償でお金を提供するわけではありません。当然のようにリターンを期待して会社にお金を提供します。

会社からすると、これらのリターンは資金調達にかかるコストになり、これを資本コストと呼びます。

資本コスト以上のリターンが見込めないなら投資する意味がありませんので、資本コストは最低限獲得すべきリターンだと言えるでしょう。

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