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第1回:今こそ「起業論」が必要な時代

科目概要
知識があれば起業は出来るのでしょうか? それだけで、永続的に発展するビジネスを創造することはできるのでしょうか?

『起業論』では、ビジネスチャンスの見つけ方やビジネスモデルの考え方、また、起業の各プロセスで取るべき具体的な方法論はもちろん、担い手である私たち自身が、いかにアントレプレナーシップを持ち、社会を変革していけるかという点を深く学びます。

究極の「当事者意識の醸成」とも言えるこの『起業論』を、BBT大学院の修了生の方に分かり易く解説していただきます!

科目名 起業論
担当教授 松本 孝利 教授
執筆担当 村西重厚さん 2015年MBA取得
第1回(全5回) 今こそ「起業論」が必要な時代
作成 2015/7/8

イントロダクション

いきなりですが、PCで「きぎょう」と打って変換をしてみて下さい。
一つ目の変換結果は「企業」と出ましたか?それとも「起業」と出ましたか?

おそらく、多くの方々は「企業」と出たのでは、と思います。

一口に「起業」といっても様々な形があります。フランチャイズに加入する、飲食店を始めるのも起業の一種でしょう。資格を用いて独立開業をすることも起業といえると思います。

様々な形の起業がある中、本講義で対象とする「起業」は、
・テクノロジーをベースにした起業
・大学、研究機関の知見を生かした起業
・社会問題に対応する社会的起業、NPO
の3つにフォーカスをしています。

さて初回はまず、今この時期に「起業論」が必要と考える理由からご説明いたします。

インターネットの広がりによるビジネス環境の変化

1990年代後半から急速に普及したインターネットは、地球規模の巨大で高速な仮想市場を誕生させました。

結果として、ビジネス・スピードは高速化し、顧客ニーズは多様化、グローバル化が進みました。インターネットが出現して、わずか20年の間に私たちの仕事、勉強、生活、そして遊びの全てが変化しました。これは まさしく「第3次産業革命」です。

インターネットが与えた経済へのインパクトの一例をご紹介します。

米国のGDPの成長は1995年から1999年の間に、6.8兆ドルから8.8兆ドルへと、平均年率6.8%の成長でしたが、その中でインターネットエコノミーに関する成長は、50億ドルから5,240億ドルへと、平均年率220%と大きく成長しました。
※Source: Center for Research in Electronic Commerce, University of Texas

では、日本における経済競争力はどうなったのでしょうか?

IMD世界競争力白書によれば、80年代の日本の経済成長率は世界最高でしたが、バブル崩壊後、2002年には30位まで低下し、2014年でも21位となっています。

この日米の差はなぜ起きたのでしょうか?

「イノベーションのジレンマ」

1982年の米国の時価総額トップ3は、
 1位:AT&T
 2位:IBM
 3位:コダック

でした。2011年になると、
 1位:エクソンモービル
 2位:アップル
 3位:マイクロソフト

となっています。そして2014年時点の時価総額トップは皆さんご存知のとおりアップル社です。

米国のトップ企業は新陳代謝を繰り返しており、そこには常にベンチャー企業が名を連ねています。

しかし同期間の日本のランキングを見ると、ベンチャー企業は一社もありません。ランキングに名を出す企業名は時代の潮流に合わせて変化していますが、いずれも伝統的な大企業中心であり、ベンチャーの活躍は少ないです。

なぜでしょうか?

実は日本も戦後の発展はベンチャーの発展に支えられていました。パナソニックもソニーもホンダも元々はベンチャー企業でした。

しかしベンチャーの歴史は50年代で止まり、以降、同様の起業家が育っていません。また良い大学、良い会社(大企業)に行くことを是とし、減点主義の評価基準という社会風潮がある中で、80年代の成功体験があるが故に、保守的になり、変化を恐れ、失う事への大きな不安がありました。さらに国の政策も大企業を優遇するものでした。

MIT教授のクレイトン・クリスチャンセンは自著『イノベーションのジレンマ』の中で、「既存の成功者は彼らが正しい戦略を探るが故に失敗する運命にある。」と述べていますが、まさしく日本は「イノベーションのジレンマ」に陥っていたと言えます。

変化の始まり

しかしながら、昨今は日本でも変化は起こりつつあります。直近の時価総額ランキング上位にはソフトバンクやファーストリテイリングといったベンチャー企業が名を出し始めています。

この変化の原因として、
 ・資本市場の動向、金融環境、人材の流動性
 ・起業数の増加傾向
 ・社会の意識
 ・国の政策
などが挙げられます。

特にここ1年ほどの動きとして、政府による起業支援の制度が増えています。例えば、厚生労働省は起業準備中の無収入期間の負担を少しでも和らげるために、雇用保険の失業手当が出るようになりました。

また民間のスタートアップを支援するイベントなども増えています。私も、スタートアップウィークエンドというNPO団体をお手伝いをさせて頂いた事がありますが、とても熱気にあふれていました。日本にもようやく本格的な起業文化が芽生えつつあるのかも知れません。

「起業論」を学ぶこととは

ここまでご説明したように、日本は米国に比べてベンチャーが育っていないことが、経済が停滞している一要素と考えることが出来ます。しかし一方で、徐々に起業文化が芽生えつつもあります。

このような環境下で、「起業論」を学ぶことは、これから職業人として生きていく上で非常に有益だと考えています。もちろん、独立して会社を興すことが、「起業論」が目指す基本的なあり方ですが、社内で自ら事業を考案し、新規事業を興す際にも「起業論」は同様に価値のある考え方だと捉えています。もっと言うと、日々の業務で何か新しいことに取り組むときに、必ず役に立つ、使える「型」であると思っています。私自身、起業論を通して仕事への取り組み姿勢が変化したように感じています。

ようは、「起業論」とは究極の「当事者意識の醸成」であるのかもしれません。

では具体的に「起業論」で何を学べるのか?
私たちは起業論の講義を通して、何を得て、何を行ったのか?

そのあたりについて、今後お伝えしていきます。

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