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第3回:「現金」の「流れ」に注目! ~資金の運用②:キャッシュ・フロー

科目概要
「コーポレート・ファイナンス」は、企業にとっての血液と言えるキャッシュフローについて学び、それに基づいた企業価値の概念を知り、事業戦略の策定に活かしていくための科目です。

理論や解説だけではない、生きたファイナンスの知識を武器にしていくことを目指したこの科目を、アカウンティングのエキスパート・公認会計士であり、MBAホルダーでもあるBBT大学院の修了生の方に、わかりやすく解説していただきます!

科目名 コーポレート・ファイナンス
担当教授 阿竹 敬之 教授
執筆担当 樋口洋介さん 2013年MBA取得
第3回(全5回) 「現金」の「流れ」に注目!~資金の運用 ②キャッシュ・フロー
作成 2015/2/25

資金の運用~正味現在価値

会社は調達した資本を運用する際に「正味現在価値」で判断基準します。
正味現在価値を理解するためには、①現在価値の計算、②将来キャッシュ・フローの見積り、③資本コストという3つの要素を理解する必要があります。

第3回は②将来キャッシュ・フローの見積りについて解説します。

将来キャッシュ・フローの見積り

当該案件に対する資金の運用によって、どれくらいのキャッシュが出ていき、入ってくるのかという「キャッシュ=現金」の「フロー=流れ」を見積ります。

例えば「2年間で、土地を購入し、マンションを立て、それを販売する」という案件があります。
はじめに、キャッシュ・アウト(現金支出)を見積もります。土地の購入に5億円、マンションの建設費用が32億円と、総額で37億円かかりそうです。しかし全ての費用を着手時に支払うのではなく、着手時に17億、1年目に10億、2年目に10億という条件になりました。

次に、キャッシュ・イン(現金収入)を見積もります。販売代金は完成後に入金されます。2年目に総額で42億円と見積りました。

最後に年度ごとにキャッシュ・インとキャッシュ・アウトをネットします(現金収支=現金収入-現金支出)。
着手時に17億円の支払い、1年目に10億円の支払い、2年目に32億円の受け取り(42億円の収入と10億円の支払いのネット)ということになります。

現在価値に割り引く

初年度の17億円は現時点で支払いますので現在価値ですが、1年目の10億円の支払いと2年目の32億円の収入は将来価値ですから、現在価値に割り戻す必要があります。
例えば年間5%で割り引くと、1年目の10億円支払いの現在価値はマイナス9.52億円、2年目の32億円収入の現在価値はプラス29.02億円になります。

現在価値を算定する際に利用した「5%」という利率がどこから出てきたのか、どのようにして算出するのかは第4回の「資本コスト」で解説します。
また現在価値の算定方法については触れませんが、エクセルで計算できますので心配無用です。ここでは計算結果を前提として進めます。

初年度のマイナス17億円、1年目のマイナス9.52億円、2年目のプラス29.02億円を足し合わせるとネットでプラス2.5億円となり、当該投資案件を実行することによって正味現在価値で2.5億円が増えることがわかります。

会計上の利益ではない

重要な点は「資金の運用の判断の際には、どのタイミングでキャシュの出入りがあるかを重視していることであり、会計上の利益(売上-費用)の概念は重視されていない」ということです。
なお、会計上の概念では、2年目の損益計算書に「売上42億円、売上原価37億円、売上総利益5億円」が計上されることになります。

これはコーポレート・ファイナンス(財務部門)の立場では、将来キャッシュ・フローの現在価値の最大化が、株主価値の最大化につながると考えているからです。利益を重視する財務会計(経理部門)の立場と考え方が微妙に異なる点を認識できれば、かなり理解が進んでいると言えます。

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