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第3回:RTOCSの進め方 2:分析フェーズに進む

科目概要
BBT大学院の学びの中心となるケーススタディ、「RTOCS」。「どうしても解きたい問題があるから、MBAの数々の知識を学びたくなる」という、本来あるべき学びの姿を実践し、ビジネスの第一線でこそ使える力を徹底して鍛えます。

BBT大学院の真髄、「RTOCS」でどのような力がつくのか? その本質とは?さあ、どのような教育メソッドなのか、BBT大学院の修了生の方に紹介していただきましょう!

科目名 RTOCS
担当教授 大前 研一 教授
執筆担当 村西 重厚さん 2015年MBA取得
第3回(全5回) RTOCSの進め方 2:分析フェーズに進む
作成 2018/05/09

以下のように、4回に分けてお伝えしている、
「RTOCS(Real Time Online Case Study)」への取組み。
 ①お題発表~情報収集
 ②分析
 ③本質的問題の発見~解決策の立案
 ④提出資料の作成~学長回答との比較

前回は、「①情報収集」について、TIPS含めてご紹介をしました。今回は収集した情報の「②分析」についてご紹介をします。

分析の第一歩はファクトからメッセージを抽出すること

ファクトの収集が一段落すると、分析フェーズに進みます。RTOCSにおける「分析」とは、収集した情報からメッセージを抽出し、一定のグループに分類後、本質的問題を捉える、ということになります。

例えば財務データの推移から、
・自社の売上は伸びているのか? 減少しているのか? 横ばいか?
・利益は出ているのか?
・経営効率はどの様に変化しているのか?
などを読み取ります。

ここで注意すべき点は、「ファクトと仮説を混同しない」ということです。例えば、目の前に過去5年間、売上データが毎年5%ずつ減少している棒グラフがあるとしましょう。ここから導き出せるメッセージは、「過去5年間、売上は減少傾向にある。」ということだけです。

この棒グラフだけから導き出す良くないメッセージの例として、「近年、経営体力が落ちている。」
「市場の競争が激化している。」などが挙げられます。

これらのメッセージは、売上の変化からだけでは抽出できません。他の財務諸表のデータや、競争環境などの情報とあわせて、はじめてこのメッセージは成立します。すなわち前述のメッセージはファクトを踏まえた「仮説」ということになります。

ファクトの調査段階では、様々な情報が雑多に入ってくるため、分析フェーズに入るとデータからこのようなメッセージが頭に浮かびますが、結論を急がず、ファクトに忠実に向き合うことが重要です。

いろいろ言いたくなることはぐっとこらえて、1つのファクトからは1つのメッセージを抽出する習慣をつけておくと、その後の方向性を見誤ることが少なくなります。

王道は3Cから。どんな会社?事業領域は?

様々なファクトからメッセージを抽出したら、それぞれのメッセージを一定の法則に従い、グルーピングを行います。グルーピングとはファクトから抽出したメッセージを、一定の共通項でくくる、という作業です。ここで、便利な共通項として「3C」をご紹介します。

3Cとは、
・自社(Company)
・競合(Competitor)
・市場(Customer)
の頭文字を取ったもので、事業会社の競争環境を俯瞰的に理解するために優れた概念です。

事業会社について、WEBで収集した情報を3Cに当てはめると、例えば以下のような分類ができるでしょう。

<自社>

財務情報、企業が発表したプレスリリース、メディアに掲載された社長や社員のインタビュー

<競合>

自社の同種の商材を扱っている会社の財務データなど、自社と同様の情報

<市場>

経済メディアの記事や、シンクタンクの調査データなど
入手した情報をこの様に分類し、自社、競合、市場毎に「一文」にまとめるのが良いでしょう。説得力のある的確な表現に挑戦してみましょう。

注意点として、3Cは常に万能ではないということです。取り組むテーマや収集した情報によって、括り出せる共通点は異なってきます。

例えば過去のRTOCSでは、自治体の首長や、一国を担う首相・大統領として課題に取り組むケースもありました。このような場合は、3Cで分類するよりもPEST(政治、経済、社会、技術)の4つの視点で分類したほうが状況をつかみやすいかもしれません。

様々なグルーピングを試してみて、取り組む課題に最も適切なものを選択することも重要です。さらには、RTOCSに取り組む皆さんが、独自の切り口で分類を行うことも可能です。

分析の初期段階では、既存のフレームワークにとらわれず、集めた情報に向き合って純粋に分類することから着手することもおすすめです。

財務分析はしっかりと行う

自社や競合の状況を把握するために、もう少し深い分析を試みてみましょう。

客観的な情報として、財務情報が挙げられます。これは事業形態に関わらず、会社組織の状況を測るには共通の指標だからです。上場会社の場合は、WEBで有価証券報告書(有報)を参照することができます。有報から得る情報は自社の状況を把握するには宝の山です。さらに有報を参照する際は、直近のデータだけでなく、過去のデータも入手し、変化を捉えるようにしましょう。有報を分析する際は、アカウンティングの知識があれば、より様々な指標を見出すことができます。

ちなみにBBT大学院では入学後、はじめに取り組む講義が「アカウンティング」となります。これはRTOCSでの分析に役立つ科目という視点もあります。例えば、営業利益、総資産回転率、ROA、ROE、EBITDA、などを自分で計算してみるのも良いでしょう。

最近は投資系のメディアなどで各指標を参照できますが、自分の肌感覚として活用できるまでは、エクセルなどの表計算ソフトを活用して自ら計算することをお勧めします。これにより、表計算ソフトの使い方に習熟することもできます。

また、競合会社も上場企業の場合、同様の分析を行ってみましょう。同様の商品を扱っていても、驚くほど財務指標が異なっていることがあります。それらを比較することにより、自社の財務上の強み、弱みを把握することができます。

本質的問題を定義する

自社・競合・市場ごとにまとめた文章から、最終的には「本質的問題」をまとめ上げてみましょう。こちらも1つの文章でまとめることが理想です。

例えば
「自社の本質的問題は、市場が変化する中、競合は○○の手法で対応しているが、新しい対応ができていないことにある。」
というような形が望ましいです。

前半で収集した様々なデータから意味を抽出し、その意味をまとめ上げる。これは以前掲載した「問題発見」のプロセスでもあります。

自分がリーダーとなっている組織の本質的問題を見つけ出して下さい。今回は分析について、ご紹介をしました。次回はエアキャンパスでの議論について解説します。

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