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第4回:誤った捉え方、していませんか? 真のイノベーションとは

科目概要
『技術戦略論』は、技術を企業価値へ変換するテクノロジーマネジメントプロセスに焦点を当て、 企業における技術マネジメントや経営資源配分、組織のあり方など包括的に考えていきます。

技術畑、経営層ではない方にも重要な示唆を与えてくれる本科目。BBT大学院の修了生の方にわかりやすく解説してもらいましょう!

科目名 技術戦略論
担当教授 古田 健二 教授
執筆担当 村西 重厚さん 2015年MBA取得
第4回(全6回) 誤った捉え方、していませんか? 真のイノベーションとは
作成 2017/12/20

近年、イノベーションを起こしたプロダクトといえば、スマートフォンのiPhone、アクションビデオカメラのGoProといったデジタル家電や、民泊のAirbnb、ライディングシェアUberなどのシェアリングサービスが思い浮かぶのではないでしょうか。これらは全て米国発のプロダクトですね。

確かに米国企業の活躍が目立ちますが、一方で日本にも自動運転のZMP、家電のUPQ、ミドリムシのユーグレナといった企業も生まれ、イノベーションの芽が育ちつつあると言えます。

イノベーションの定義

『技術戦略論』において、イノベーションとは、

「市場の課題解決を目指した“新しい発想と行動”により、(企業)価値の増大を実現すること」

と定義しています。
世の中の人が求める「価値」を提供することが、「イノベーション」です。

ここで言う「価値」とは、「課題を解決するプロダクト」を指します。
従ってイノベーションを起こすためには、「課題」を的確に捉える、ということが重要です。

世の中に「価値」、すなわち「課題解決」を提供すると何が起こるのでしょうか?

人々はより便利な生活を享受できます。
また、様々な社会課題も解決できるでしょう。
市場の満足度は上がり、その対価を受取ることで企業は利益を受取り、業績向上し、企業価値が向上します。

iPhoneの普及により、人々の生活は便利になりました。
Airbnbは人々の旅行のスタイルを変え、空いている部屋が有効活用されるようになりました。

このように人々の生活に変化をもたらすことが、「イノベーション」なのです。

日本においては、イノベーションは「技術革新」と混同されていると言われます。
決してイノベーションは新しい技術を作り出すことを指すのではありません。

あたらしい技術を起こすことは、イノベーションではなく発明(インベンション)なのです。

スティーブ・ジョブズとエジソンの違い

発明と言えば、多くの人はエジソンを連想するかと思います。

エジソンは課題を解決するために、多くの発明を行ったという見方もできます。エジソンの時代は、課題を解決する技術が無かったので、自ら発明をしたのです。

それがスティーブ・ジョブズの時代では、課題を解決するための技術は既に存在しました。 彼は、それらを組み合わせる製品を世に出すことで、課題解決をしたのです。

技術をめぐる外部環境が大きく変化したにも関わらず、 多くの日本企業は未だエジソン型の自前での技術革新(発明)にこだわり、 スティーブ・ジョブズ型のイノベーション企業に勝負を挑んでいる、と考えることもできます。

ゲームチェンジャーになる

米IBMのサミュエル・パルミサーノ会長は以下のように述べていました。
「勝者は嵐を生き延びたものではなく、ゲームのルールを変えた者だ。」

また、MITメディアラボ副所長の石井裕氏も、同様のことを述べています。
「100m競走のタイムを争う程度の研究ではダメ。新たなルールの競技を想像するぐらいの覚悟が必要。」

これからの時代は、ルールの中で頑張るのではなく、ルール、ひいてはゲームを作る側に回らなければいけない、ということです。

オリンピックで、日本人が好成績を残すようになると、競技自体のルールを変えられて、競争環境が変わり、成績が振るわなくなる、という事態を目撃したことはありませんか。

堅実にルールの中で戦うことを得意としているため、ルールが変わると対応ができなくなるからです。 しかし欧米諸国は「勝つための戦略」にルールメイク・チェンジも含まれているのです。

上記の石井氏の発言は2009年5月、リーマンショックから約半年後です。
その後、日本企業はどのような取り組みを行ってきたでしょうか。
多くの企業はリストラ・筋肉質な経営、といった、従来のルールの中での取り組みが中心ではなかったでしょうか。

イノベーションとは、世の中の課題を解決する為に、ゲーム自体を作り出すか、ルールそのものを変える価値を創造する事なのです。

次回は、イノベーションを生み出す方法、特に主流になりつつある オープンイノベーションについてご紹介します。

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