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第3回:イノベーションがもたらすもの

科目概要
『技術戦略論』は、技術を企業価値へ変換するテクノロジーマネジメントプロセスに焦点を当て、 企業における技術マネジメントや経営資源配分、組織のあり方など包括的に考えていきます。

技術畑、経営層ではない方にも重要な示唆を与えてくれる本科目。BBT大学院の修了生の方にわかりやすく解説してもらいましょう!

科目名 技術戦略論
担当教授 古田 健二 教授
執筆担当 村西 重厚さん 2015年MBA取得
第3回(全6回) イノベーションがもたらすもの
作成 2017/12/13

最近は「イノベーション」という言葉を耳にされる事も多いことでしょう。
今回はこの「イノベーション」という言葉の意味を考えてみましょう。

イノベーションは「技術革新」ではない

イノベーション=技術革新、と捉えていないでしょうか?
そもそもイノベーションという言葉は、「技術革新」を意味するものではありません。

イノベーションを起こして大躍進した事例を考えてみましょう。

・テスラモーターズの電気自動車
・アップルのiPhone
・お掃除ロボットのルンバ
・ビデオカメラのGoPro

などはイノベーティブな製品というイメージがありますね。

これらの製品は「技術革新」の結果もたらされたものでしょうか?
確かに、新しい技術要素も含まれていますが、大躍進の要素はそれだけでは無いようです。

それではイノベーションの具体的な事例を見てみましょう。

テスラモーターズの事例

読者の皆さんの中にもテスタモーターズ(以下テスラ)という、電気自動車を製造している自動車会社をご存知の方々も多いと思います。自動運転というキーワードでも耳にする企業ですね。

テスラは非常に完成度の高いスーパーEVともいえるスーパーカー+EVという車を製造しています。
たまに日本でもテスラエンブレムをつけたスタイリッシュなスポーツカーを見かけるようになりました。

彼らが自前で開発しているのは、電気自動車という技術要素のうち、モーター、電池パック、ソフトウェアなどごく一部のものです。
構成要素のうち、多くは既に市販されているものを使っているのです。

それらにより、2012年には下記のスペックの電気自動車が量産開始されました。

 連続走行距離:最大502km/チャージ
 最高速度:200km
 加速性能:発進から時速96kmまでが4.4秒

このような高性能な自動車を発売し、2013年度には黒字化を実現しています。

テスラは2003年に設立と、まだ創業後わずか十数年の自動車会社です。

同社の時価総額は、2017年4月3日時点で、5兆3900億円となりました。
この時価総額を日本の自動車メーカーと比較すると、すでに日産を抜き、ホンダに迫る勢いでした。

国際的にはフォードを抜き、フォルクスワーゲンに迫っています。

テスラは2017年4月の時点で自動車の販売台数が8万台です。
フォードは前年665万台の自動車を製造しました。
圧倒的な台数の車を製造するフォードよりも大きな時価総額と言うわけです。

株価はその企業が将来もたらされる価値を反映したものと言われています。
市場のテスラモーターズ社に対する期待の高さを示していると言えます。

テスラは自動車業界にイノベーションを起こし、市場から高い評価を受けているのです。

日本企業にも兆しが

前回、日本企業の苦戦例をご紹介しましたが、新しい試みで成長している日本企業もいくつか生まれています。

例えば、自動運転技術開発をしている、ZMP社はソニーやコマツといった大手企業に技術提供をしています。

また、ミドリムシの利用技術開発をしているユーグレナ社はJX日鉱日石エネルギー社や清水建設に技術提供をしています。
(出典:いずれも日経ビジネス2015年4月14日号)

ベンチャー企業の先進的な技術を、大手企業が活用するというスキームが生まれています。

またUPQという家電製品を製造するベンチャー企業は、2015年に設立したまだ若い会社ですが、薄型テレビやスマホと行ったデジタル家電を自社ブランドで販売しています。

イノベーションを起こす日本のベンチャー企業が少しずつ、生まれてきています。

真のイノベーションとは

冒頭に、イノベーションは技術革新ではない、と述べました。

イノベーションとは、市場の課題を解決することを目的として、「新しい発想と行動」により企業価値の増大を実現することを指すのです。「技術革新」はイノベーションという概念の構成要素である、「新しい発想と行動」を支える一つの要因なのです。

次回はイノベーションの概念について、さらに深掘りをしていきます。

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