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第4回:成員動機付け理論から学ぶ①

科目概要
『組織と経営』は、組織が目的を達成できるように、どのような組織を作り、どのように運営するべきかを学ぶ科目です。

「組織論」に正解や万能薬はありません。だからこそ過去からの組織機構の系譜を押さえ、組織が抱える課題を正しくつかみ、組織の構成員を活かすために、一人ひとりが深く考えることが重要になります。その思考のヒントをBBT大学院の修了生の方に、分かり易く解説していただきます! 

科目名 組織と経営
担当教授 後 正武 教授
執筆担当 佐藤祐樹さん 2015年MBA取得
第4回(全6回) 成員動機付け理論から学ぶ①
作成 2015/9/30

命題:やる気のない秀才君問題を動機付けようと試みる

前回まで、やる気のない秀才君たちを活かすためにどのような組織デザインをするべきか考えてきました。

でも、なんだか足りない。

優秀な経営者であるあなたは、こう考えました。
個々人の心の問題を抜きに組織図や組織のルールだけを考えても、本質的な問題解決にならないのではないか?

あなたは優秀な経営者なので、自分の経験や勘だけで考えても限界があることを知っています。
過去の研究や実践例から学ぶ必要があることも充分に理解しています。

そんなあなたは、心の動きをどうマネイジすべきか、大先輩の研究から学びたいと思うはずです。

「人間関係論」が注目された背景

テイラー先生の科学的管理法がアメリカで大ブームになったのは1910年です。
1881年ころから設置され始めたビジネススクール(元祖MBA!)がひと通り出揃う頃であり、マネジメントとは経験や勘ではなく科学だ、という考え方が広く受け入れられ始めました。

そんな時代を経て、1924年から行われたのがホーソン工場の実験です。
オーストラリア出身でハーバードビジネススクールの先生のエルトン・メイヨー(1880‐1949)が途中参加し、まとめ上げました。

この実験はテイラーの科学的管理法の証明実験という性格もあったはずなのですが、思わぬ結果が導出され、メイヨーは「心の動きをないがしろにしているテイラーは間違っている!」と批判しました。

テイラーの科学的管理法は非常に高く評価されるべきものですが、当時は労働組合などから格好の攻撃対象にされたり、チャップリンが映画『モダンタイムス』を撮ったりしていたので、メイヨーの批判はかなりキャッチーで受け入れられやすかったようです。
これを機に、マネジメントの主流は「人間関係論」に移行しました。

テイラー先生だって人の気持をないがしろにしていたわけではありません。
有名になってからでも、自分が勤めている工場を管理職とのケンカで退職したりしており、人間関係には苦労していたことがうかがえます。

批判されたのはちょっと気の毒な気がします。

ホーソン工場の実験

さて、本題です。
ホーソン工場の実験とはどのようなものだったのでしょうか?

この実験は、ある部品を6人の女性職員が組み立てる作業を通じて、作業効率の変化を観察する目的で、シカゴ郊外のウェスタン・エレクトリック社のホーソン工場で行われました。
照明の明るさや休憩時間、賃金、湿度や温度、おやつ(!)などの条件によって、作業効率がどう変化するのかを知る目的でした。

メイヨーたち実験担当者は、条件が良くなれば作業効率が上がり、以前の条件に戻せば作業効率も戻るだろうと考えていましたが、わけのわからない結果が出てしまいました。

6人の女性グループは、照明が明るかろうが暗かろうが、休憩が多くなっても減ってしまっても、暑くても寒くても蒸しても乾燥しても、おやつが支給されようが急にそれがなくなろうが、実験が進めば進むほど、どんどん作業効率を上げていき、誰もが尊敬する熟練工に成長していったのです。

何故このような結果になったのでしょうか?

メイヨー先生によると、彼女たちは自分たちが実験に選ばれたことを誇りに思い、偉い先生方に観察されることで認知と賞賛を得て、ものすごくやる気が出たらしいのです。

そのやる気たるや、作業条件の良し悪しなんか関係ないほどでした。

良い条件になれば、当然今までより結果を出してやるぞ、と思い、条件を悪くされれば、そんなことに負けるものか、と頑張りました。

メイヨー先生はこの結果に鑑み、組織のドライバは、組織デザインやルールよりも人の心なのではないか?と提唱しました。

本当はどちらも大切なのですけどね…。

心の動きのマネジメントでやる気を出させる

この実験は手法や解釈によって異論や批判が多く、評価は定まっていないそうです。
しかしながら、興味深いストーリー性と時代背景が重なって、かなり有名になりました。
有名なマズロー先生の「欲求5段階説」が、仮説なのにも関わらずひとり歩きして有名になって、亡くなる直前に「やっぱ6段階あった…」と言っても時既に遅かった、というのと似ています。
マズローの仮説も、ストーリーとして非常に興味深いものですからね。

まだ証明されてなかろうが、異論があろうが、過去の研究や考察から学ぶことは多いはずです。

やる気のない秀才君たちを、優秀な経営者であるあなたは、いかに効率よく活用することができるか?

次回も引き続き、前述のマズロー先生を含めて、成員動機付け理論の紹介を続けたいと思います。

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