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第3回:組織機構論の系譜から学ぶ②

科目概要
『組織と経営』は、組織が目的を達成できるように、どのような組織を作り、どのように運営するべきかを学ぶ科目です。

「組織論」に正解や万能薬はありません。だからこそ過去からの組織機構の系譜を押さえ、組織が抱える課題を正しくつかみ、組織の構成員を活かすために、一人ひとりが深く考えることが重要になります。その思考のヒントをBBT大学院の修了生の方に、分かり易く解説していただきます! 

科目名 組織と経営
担当教授 後 正武 教授
執筆担当 佐藤祐樹さん 2015年MBA取得
第3回(全6回) 組織機構論の系譜から学ぶ②
作成 2015/9/24

命題:やる気のない秀才君問題をもうちょっと組織デザインからアプローチする

前回に引き続き、「やる気のない秀才君問題」を組織デザインの工夫によって解決できないか考えてみます。

繰り返しになりますが、100%の正解がない問題です。
だからこそ、過去の大先輩たちから学ぼう、という趣旨ですので、「わたしはこの考え方に反対だ!」とか、「なるほど、そうやれば良いのだ!」とか思わないでくださいね。

F・テイラーの活躍の背景

悩み多き経営者であるあなたは、前回紹介したM・ウェイバーのちょっと先輩の、アメリカのエンジニアで経営学者でもあったフレデリック・テイラー(1856‐1915)から学ぶことも多いかもしれません。

ウェイバー先生はいかにもドイツ人基質という印象の近代的官僚組織を提唱しましたが、テイラー先生の考え方も、いかにもアメリカ人、と思うことが多いと思います。

アメリカは移民の国です。
ドイツのギルド制のような厚みのある熟練工の歴史があるわけでも、ほぼ同じ民族が同じ価値観で仕事をしてくれるわけでもありません。
ドイツと違い、国土は広大で資源が豊富ですが、圧倒的な人材不足です。
逆説的に、当時は作れば売れる物不足の時代だったので、製造現場の人材マネジメントさえ成功すれば、アメリカは世界一の工業国に発展できる潜在力があったわけです。

テイラーの科学的管理法

テイラーは、職人ごとに違った方法で行っていた製造現場は効率が悪いのではないか、と考えました。
ひとつひとつの仕事には正しいやり方と適正な時間配分があるはずだ、ということです。
今となっては当たり前の「作業標準」あるいは「マニュアル」の考え方です。

当時の工場では、工場長はモノを作るのがうまい熟練工でした。
しかしテイラーは、工場長は作業標準を守る職人を管理する管理職だと言い、出番は例外的なことが起きた時だけと決めました。

作業者は決められた仕事を決められた時間で行い、それに対して給料をもらいます。
工場長などの管理職は、自分が職人技を発揮して尊敬されるのではなく、計画通りに作業が進んでいるかチェックする、ちょっと嫌な役回りになりました。

この管理法には反発も多く、現場からは「人は機械じゃない」という声が少なからず上がりました。
しかし、現代社会において、マニュアル化された仕事で標準的なサービスや製品を生み出すことは当たり前のこととして認知されています。

作業標準の限界

最初の命題に戻ります。
作業標準による科学的管理法により、やる気のない秀才君を効果的に活用できるでしょうか?

賢い経営者のあなたは、一定の効果は認めるものの、これだけではなんだか足りない、と気づくと思います。

やる気のない秀才君が、やる気のないまま決められた仕事だけをしていては、もったいないのではないか?

確かにそうです。
決められたことは守っても、それ以上の改善提案やアイデアを引き出せなくては、せっかくの秀才を力強くマネジメントしているとは言えませんね。

現代社会の組織人は、作業標準という「明確な答え」のあるゲームをしている人はほとんどいません。
誰も思いつかなかった発想ができ、計画を立てられ、まわりを説得し、仲間を作り、実際に実行し、結果を出す人材が求められております。

組織デザインだけを工夫してもこの命題の解には近づけないのではないか?と気づきます。

そこで、経営者であるあなたは、やる気の本質、「動機付け」を体系的に学ぶ必要に迫られるわけですね。

次回からは「成員動機付け理論」についてお話をしたいと思います。

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