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第2回:100ドルの1年後の価値は? ~資金の運用①:現在価値の計算

科目概要
「コーポレート・ファイナンス」は、企業にとっての血液と言えるキャッシュフローについて学び、それに基づいた企業価値の概念を知り、事業戦略の策定に活かしていくための科目です。

理論や解説だけではない、生きたファイナンスの知識を武器にしていくことを目指したこの科目を、アカウンティングのエキスパート・公認会計士であり、MBAホルダーでもあるBBT大学院の修了生の方に、わかりやすく解説していただきます!

科目名 コーポレート・ファイナンス
担当教授 阿竹 敬之 教授
執筆担当 樋口洋介さん 2013年MBA取得
第2回(全5回) 100ドルの1年後の価値は? ~資金の運用 ①現在価値の計算
作成 2015/2/11

資金の運用~正味現在価値

会社は調達した資本を運用して現金を増やしていくわけですが、どのような判断基準で「運用先」を決定すればいいのでしょうか?結論としては「正味現在価値」で判断をします。

正味現在価値を理解するためには、①現在価値の計算、②将来キャッシュ・フローの見積り、③資本コスト、という3つの要素を理解する必要があります。第2回は①現在価値の計算について、②と③については第3回と第4回で解説します。

現在価値の計算

「現在価値」は「将来価値」に対する概念で、どちらかを固定して考えると理解しやすくなります。

現在価値から将来価値を考える

たとえば現在100ドルある(現在価値)として、1年後の価値(将来価値)はどうなっているでしょうか?

今すぐ使う必要がなければ、投資を行うのが合理的だと考えます。
投資には実物資産から金融資産まで様々あり、また安全なものから危険なものまで様々な案件があります。その中でもっとも安全なものは米国債への投資と考えます。米国債の長期金利(10年,クーポンレート)は2015年1月上旬の時点で2.25%です。ここでは単純に2%として考えましょう。

米国債を100ドル購入すれば、1年後に2ドル利息が得られ、合計で102ドルになります。ですから、現在価値の100ドルの、1年後の将来価値は102ドルということになります。

将来価値から現在価値を考える

反対に、1年後に100ドルが必要と思えば、現時点で98.039ドルの米国債を購入すると、利息と合わせて1年後に100ドルになります。つまり(1年後の)将来価値100ドルの、現在価値が98.039ドルとなります。

考える方向が違うだけで、原理原則は同じです。

投資の価値を現在価値で計算する

コーポレート・ファイナンスにおいては、この現在価値を活用して投資判断を行います。考える方向としては、後者の「将来価値から現在価値を考える」のが一般的です。

なぜ、このような(ややこしい)考え方をするのかといえば、通常、会社の投資案件は複数年に及ぶからです。

例えば現在100の投資を行い、5年間、毎年25のリターンが得られる案件があるとします。この時に「リターン総額は25×5年=125だから、投資額100を引いても25残るから実行する」という単純計算にはなりません。その投資をしなければ、米国債への投資により少なくとも2%の利息が稼げるわけですから、これを考慮する必要があるのです。

そこで
・25のリターンについて、それぞれ将来価値から現在価値にするといくらになるか
・それを踏まえていくら資金が増やせるのか(=正味現在価値)
で判断します。

その際に、リターンをどのように計算するのかが「②キャッシュ・フロー」の話であり、現在価値を算定する際に何%で割引計算するのかが「③資本コスト」の話です。

少し難しい話になりましたが、第3回、第4回でご紹介する「②キャッシュ・フロー」「③資本コスト」の2つのパーツが揃ってから、改めて全体をイメージしていただけると理解が進むのではないかと思います。

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